相続QA25

Q.家族経営の会社の株式を取得しました。この株式の評価はどうなりますか?

取引相場のない株式の評価方法



 取引相場のない株式については、相続や贈与でその株式を取得した株主が、その会社の経営支配力を持っている同族株主かどうか、またその会社の規模がどの程度であるか、あるいは特定の評価会社に該当するかどうかにより評価方法が決定されます。(評基通179,188-2)
 数回にわたり、取引相場のない株式の評価方法について簡単にご紹介します。
 今回は、評価方法の分類と基本となる3種類の評価方法についての概要をまとめました。


1.株主の態様により分類
 取引相場のない株式の評価は、大きく分けて二つに分類されます。
 一つは、相続や贈与により取得した株主が同族株主の場合で、会社の業績や資産の内容を株価に反映させる原則的評価方式により評価します。原則的評価方式による評価とは、「類似業種比準価額方式」又は「純資産価額方式」或いはこれらの「併用方式」です。
 もう一つは、同族株主以外の少数株主が取得した場合で、殆ど配当を受ける権利のみの株主ですので会社の規模の大小等に関わらず全て会社の配当金額によって株価が計算される「配当還元価額方式」により評価します。なお、一般的には配当還元価額方式のほうが評価額が低くなりますが、原則的評価方式のほうが評価額が低い場合は原則的評価方式により評価します。


2.株主の区分の判定
  次に、原則的評価方式と特例的評価方式のいずれの評価方法により評価するか、具体的に判定します。
 株主の区分は、その評価する会社に同族株主がいるかいないか、株式の取得者が同族株主かどうか、またその持株割合がどれくらいかで決まります。(評通178)
 株主の一人並びにその同族関係者を1グループとして、筆頭株主グループの議決権割合の区分ごとに以下の表にあてはめて判断します。



 (※)同族株主グループ内の少数株主の評価
 同族株主グループの中で議決権割合が単独で5%未満の者については、その者の他に中心的な同族株主又は中心的な株主がおり、かつ、その者が役員でない場合には、配当還元方式により評価します。
 中心的な同族株主とは、株主の一人並びにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び一親等の姻族等(関係会社を含む。)の有する株式の議決権割合が、25%以上である場合におけるその株主をいいます。
 中心的な株主とは、同族株主のいない会社の株主で、株主の一人及びその同族関係者の有する株式の議決権割合が15%以上であるグループのうちいずれかのグループに単独で10%以上の議決権を有している株主がいる場合のその株主をいいます。(評基通188)


3. 3種類の評価方法
  ① 類似業種比準価額方式
   類似業種比準価額方式とは、評価する会社の事業内容(業種)と類似する上場会社の株式1株当たりの配当金額・利益金
  額・純資産価額とを比準してその比準価額の一定割合を1株当たりの評価額とする方法です。(評基通180)
   1株当たりを計算するのに必要となる発行済み株式数からは自己株式数を控除します。
   1株あたり類似業種比準価額は、以下の算式により計算します。



   なお、類似業種の業種目及び株価等は国税庁ホームページ等で公表されていますが、業種によって株価等にばらつきがあ
  るため、どの業種に属するかによって評価額が大きく変わってきます。


  ② 純資産価額方式
   純資産価額方式とは、その会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて評価した純資産価額をもってその
  評価額とする方法です。(評基通185)



   評価差額=相続税評価額による純資産価額-帳簿価額による純資産価額
   資産評価をする場合、土地(借地権)や建物等については、路線価や固定資産税評価額をもとに評価します。また、その他
  の資産等についても、相続税の評価方法により個別に評価する必要があります。
   評価差額に対する法人税額等に相当する金額の控除があるため、含み益の約半分は株価の評価から除かれますが、留保
  利益や含み益を有する資産の多い会社は評価額が高くなります。


  ③ 配当還元価額方式
   配当還元価額方式とは、その株式を所有することによって受取る配当金額を一定の利率で還元して評価額を決める方法で
  す。(評基通188-2)




   年配当額は、評価会社の直前期末以前2年間の各事業年度における年配当金額の平均額を直前期末の50円換算発行済
  株式数(自己株式数は控除)で除した金額で、その年配当金額が2円50銭未満か無配の場合は2円50銭とします。
   また、特別配当や記念配当等臨時的な配当は除かれます。





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