相続QA17

Q.結婚をすると、税金はどうなりますか?

夫婦間での税金


 今回は、結婚により夫婦となった場合や、離婚してしまった場合における、各種税金の取り扱いについて、その代表的なものにつき概要をまとめてみたいと思います。

1、 所得税の配偶者控除
 ① 配偶者控除(所得税法第83条)
    生計一配偶者の所得金額が38万円以下(給与収入のみの場合には、総収入金額103万円以下)の場合には、納税者の
   所得金額から38万円を控除することができます。

 ② 配偶者特別控除(所得税法第83条の2)
    配偶者の所得金額が38万円を超えるため、①の配偶者控除の適用を受けられない場合であっても、次のAの要件を満た
   す場合には、その配偶者の所得金額に応じ、Bの控除を受けることができます。

   A:要件
   ⅰ、控除を受けようとする納税者の合計所得金額が1千万円以下であること(給与収入のみの場合には、総収入約1,230万
     円以下)
   ⅱ、その配偶者が下記の要件すべてに該当すること
     (ア) 内縁関係でない、生計を一にする配偶者であること。
     (イ) 他の人の扶養親族となっていないこと
     (ウ) 青色及び白色事業専従者として、給与の支給を受けたものでないこと。
     (エ) 年間合計所得金額が、38万円超76万円未満であること

   B:控除額

配偶者の合計所得金額特別控除額
以上未満
     38万円超    40万円   38万円
 40万円 45万円 36万円
 45万円 50万円 31万円
 50万円 55万円 26万円
 55万円 60万円 21万円
 60万円 65万円 16万円
 65万円 70万円 11万円
 70万円 75万円  6万円
 75万円 76万円  3万円


2、 配偶者に対する相続税額の軽減(相続税法第19条の2)
   配偶者が死亡したことにより財産を取得した場合には、下記の算式のように、一定の軽減を受けることができます。

   その相続に係る相続税額の総額×(①/その相続に係る課税価格の合計)
     ① :AとBのうち、いずれか少ない金額
                A、 課税価格の合計額×配偶者の法定相続分と1億6千万円のいずれか大きい金額
                B、 配偶者の課税価格に相当する金額
  ※未分割財産がある場合には、申告期限から3年以内に分割されたものに限ります。

   また、この控除を受けるためには、相続税の申告の際、必要書類として、遺言書、財産分割協議書(各人の印鑑証明書)、
  遺産が分割されていない場合には分割見込書を添付する必要があります。

3、 贈与税の配偶者控除(相続税法第21条の6)
   贈与により、その配偶者の保有していた居住用不動産若しくは、居住用不動産の取得に充てるための金銭(以下、「居住用
  不動産等」という。)を取得した場合に、①のすべての要件を満たす場合には、その贈与税の計算上、課税価格から2千万円
  を控除することができます。

 ① 適用要件
   A、 婚姻期間が20年以上であること
   B、 居住用不動産若しくは居住用不動産の取得に充てるための金銭の贈与であること
   C、 その翌年3月15日までに居住の用に供し、かつその後も引き続き居住の用に供する見込みであること
   D、 過去、その配偶者から贈与を受けた財産について、この規定の適用を受けていないこと

   また、この控除を受けるためには、贈与税の申告の際、下記②の書類を添付して申告する必要があります。(相続税法施
  行規則第9条)

 ② 添付書類
   A、贈与日から10日経過後に取得した戸籍謄本(抄本)及び戸籍の附表写し
   B、居住用不動産謄本
   C、受贈者の住所が居住用不動産の住所地と異なる場合には、住民票の写し

4、 生前贈与(相続税法第19条)
   相続税には、被相続人の生涯財産精算手続きの一つという性格もあることから、相続開始前3年以内に贈与をしていた場
  合、その贈与財産は相続税の計算に含めて税額を計算し直す制度があります。
   この場合、基本的には、3年以内に贈与されたすべての財産につき、再度相続税の課税価格に算入し、相続税額を計算し
  た上で、そこから贈与税額を控除する形で再計算が行われるのですが、上記3、の配偶者控除の適用を受けた財産について
  は、3、の控除適用後の財産額を加算することとなります。

5、 財産分与
   離婚による財産分与により財産を取得した場合には、この財産分与による財産の取得が、夫婦の共有財産の清算的性質、
  慰謝料的性質、離婚後の扶養的性質といった考え方に基づき行われるため、基本的には税金がかからないよう手当されて
  いるのですが、いくつか、注意していただきたい項目につき、まとめてみました。

① 贈与税の取り扱い
   上記のように、財産分与による財産の取得については、その性質を考慮し、贈与税はかからないこととされています。
  但し、下記のような場合には、その性質にそぐわないものであるため、それぞれに規定する部分について、贈与税の課税対
  象となります。(相続税法基本通達9-8)

   A、 その財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められ
    る場合の、その過当である部分
   B、 財産分与には贈与税がかからないことを利用して、恣意的に離婚を行った場合における、その離婚による財産分与によ
    り取得した財産の価額

② 所得税の取り扱い
   財産分与により、土地、建物及び株式等現金以外のものを分与した場合には、その分与をした時において、その時の価額
  により当該資産を譲渡したこととなるため、その分与をした人に譲渡所得課税が発生します。(所得税法基本通達33-1の4)
   この場合、多額の含み益があるような資産が分与の対象となってしまうと、財産を渡した側で、金銭を受け取っていないに
  も関わらず、税金負担が発生してしまうこととなりますので、その前に、その資産を実際に売却し、現金化した上で現金を渡
  すといった方法も一つの方法かと考えます。

   一方で、容易に現金化できない居住用の土地建物については、Aの要件に該当する場合には、所得金額より3千万円の控
  除を受けることができます。(租税特別措置法第35条)
   但し、この適用は、A、ⅰにあるように、親族以外の者に対して譲渡した場合に限られますので、必ず離婚後に行う必要が
  あり、また、この適用を受けた場合には、その適用年の翌年以後2年間は、新たにローンを組んで住居を建築、購入等した
  場合でも、住宅借入金等特別控除の適用は受けられませんので、注意が必要です。(租税特別措置法第41条⑧)

   A、要件
   ⅰ、生計一親族等に該当しないこと。
   ⅱ、固定資産の交換に係る特例、若しくは租税特別措置法に規定するその他の特別控除等を受けていないこと
   ⅲ、居住の用に供しなくなった場合には、その日から3年目の年の12月末日までに譲渡したこと

   B、確定申告書の添付書類
   ⅰ、譲渡所得の内訳書
   ⅱ、譲渡した不動産の管轄市区町村から2月を経過した日以後に交付を受けた住民票の写し

   また、その分与の年の1月1日において、その居住用不動産の所有期間が10年を超えている場合には、上記特別控除と併
  せ、一定の軽減税率を適用することができます。(租税特別措置法第31条の3)

③ 登録免許税
   財産分与により取得した不動産の移転登記を行う場合には、登録免許税が必要となります。

     登録免許税=不動産の価額×20/1,000

④ 不動産取得税
   婚姻期間に生じた共有財産の清算といった形での財産分与であれば、形式的な所有権の移転(共有物の分割による不動
  産の取得(持分を超える部分は除く))とされ、不動産取得税はかかりませんが、慰謝料として若しくは、婚姻前に取得していた
  不動産が譲渡された場合には、その対象部分について、通常の不動産の取得があったとされ、不動産取得税がかかってきま
  す。(地方税法第73条の7②の3)

   この場合、当該不動産が居住の用に供されており、かつ、床面積が50㎡以上240㎡以下の家屋である場合には、その新築
  した日に応じ、100万円~1,200万円の範囲内で、課税標準から控除を受けることができます。(地方税法第73条14①~③)

   また、上記家屋の取得とともに、その敷地の用に供されている土地も取得した場合には、その土地の税額から、下記A、Bの
  いずれか高い方の金額が控除されます。(地方税法第73条の24)

   A、45,000円(150万円×3%※2)
   B、(土地1㎡あたりの金額※1)×a×3%※2
   a:bとcのいずれか小さい方
   b 住宅の床面積×2
   c 200㎡

 ※1 平成24年3月31日までに取得した場合には、価格を2分の1にした後の金額
 ※2 平成24年4月1日以降取得の場合には、4%





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